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美味礼讃
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美味礼讃
更新日_2006.11.10
お節と雑煮


日本の美しい四季折々の行事の中でもとりわけ日本人にとって特別な意味を持つ新春の祝い。
万葉歌人大伴家持が「新しき年の始めの初春のけふ降る雪のいや重け吉事」と詠むように新春を寿ぐ心は、はるか万葉集の時代から大切に受け継がれてきました。
農耕社会であるこの国の古人にとって正月は穀霊である歳神様を迎えて五穀豊穣を祈るための大事な農耕儀式でした。その際に行われた歳神に供された神饌を下げて皆で祝食するという日本古来の直会の儀式が後の正月祝いの原型となります。現在でも雑煮を「ナオライ」と呼ぶ地域が残っています。
元旦の祝いは奈良時代から宮廷の公式行事となりましたが、現在のように屠蘇を酌み交わし、雑煮で祝ってお節料理に箸をつけるといったかたちになったのは室町時代からのことです。
元々お節とは朝廷の節会に供される供御である「節供」の意味でした。節供の文化は行事と料理を一体と考え、その料理に行事の意味を重ね合わせるという日本特有の文化です。節供は主に五つありますが、今ではお節と言えばご馳走の多い年始料理だけを指すようになっています。
おせち料理とともに正月の行事食である雑煮も元々は年中行事や祭りの日などにご馳走としてつくられていました。雑煮は餅が臓腑を保養するという意とも、色々な具材を煮合わせることを意味するともいわれています。

各地お国によって多様なお節と雑煮があります。
尾道はかつて東の兵庫、西の下関とともにブリの三大市場と呼ばれ、諸国の商人が集まり夜通し市をたてたほど盛況を誇っていました。今でもブリが元旦の膳を賑わします。
桂馬の紅白蒲鉾、ふんわり梅焼と瀬戸内ならではの地穴子そして鰤の切り身。これらが揃った雑煮は、もっとも尾道らしい雑煮と言えます。

「夜の明けゆく元旦の空の有りようが別に昨日と変わっているとも思われないのにうって変わって新鮮で心惹かれる」と兼好法師は元旦への感懐を徒然草で記しました。一年の中で最も心あらたまる節目の日である元旦に桂馬の蒲鉾で少しでも彩りを添えることができればと思っております。

記 岸川裕尚

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